ネルソン水嶋
母の故郷である沖永良部島(おきのえらぶじま)。小学2年の夏休み、祖母とご近所さんが話す方言が完全に外国語で、兄と二人で息を呑んだのも今はいい思い出。
物心がつく前から沖永良部島の土を踏んでいたので、母の故郷であっても、それが島であることを強く意識したことはありませんでした。いい大人になってから住んでみると、「沖永良部島だから」と思っていたことの多くが、実は「島だから」だったと気づけるように。ルーツのある人にとって、きっかけは2度あるのかもしれません。
本土でときどき、理解できないといった表情で「なぜ島に住んでいるのか」と言われることがあります。
自分自身、今も決定的な答えは出ていませんが、それでも暮らしの長さに比例して「島にしかない魅力」は見つけてこれました。私にとって、その最たるものが「島人の(島への)愛と強さ」です。
数年前、某ブライダル雑誌のコピーで、「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、 私はあなたと結婚したいのです。」というものがありました。これを島風に勝手にもじると、「どこでも暮らせるこの時代に、 私は島に住みたいのです。」なんじゃないかなと思っています。つまり、島で生活(パートナーと結婚)するに足る愛がある。
ショッピングに行けない・映画館がない・夏は台風がひっきりなし(おもに南西諸島)…都市部に比べてインフラや消費的娯楽環境がハードモードな島。それでも島を住処に選ぶ人は、島への愛にあふれ、愛ゆえに芯が強い。おまけに自然と生きる術にも長けている。その愛のおこぼれをうっかりもらっちゃった人が新たな島人になることも。それは沖永良部島に住み、リトケイに関わることで島の解像度が上がって気づけたことです。
私を含めて島人の誰もがそうではないけども(笑)、そういう人は多い。間違いない。そんな愛すべき島々の存在を、この島国に暮らす人たちのひとりでも多くに伝える。それが、リトケイのミッションだと考えています。
離島がなくなることは、日本の文化消失だけではなく、国防やゆたかな領海の維持にも大きな影響が起こります。
私たちと、離島文化を守る活動へ応援という力を貸してください。
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