リトケイの活動

島の地元編集者と個性豊かな魚食文化を楽しむオンライン交流イベントを開催しました

特定非営利活動法人 離島経済新聞社は、2021年6月30日にオンラインイベント「『魚×島人』トーク リトケイ&島の編集者 オンライントーク『おいしい!たのしい!島の魚食図鑑』」を開催いたしました。
このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本PROJECT」”の一環です。

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イベント概要

開催概要

有人離島情報専門フリーペーパー『季刊リトケイ』35号「おいしい!たのしい! 島の魚食図鑑」の特集紙面に登場した[伊豆諸島(東京都)、家島(兵庫県)、対馬(長崎県)、五島市(長崎県)、沖永良部島(鹿児島県)]で現地取材を担当した編集者が、紙面に掲載しきれなかった各島の魚食の魅力をプレゼン。その後は、グループに分かれ島々の編集者、参加者、リトケイスタッフとの交流タイムをたっぷりと楽しみました。

参加者には5つの離島エリアからリトケイ編集部がセレクトした「島の美味しいもの詰め合わせ」を事前にお届け。島の幸を味わいながら、その島の方々と交流することで、おいしく、たのしく、島の魚食を学んでいただきました。

【日程】   2021年6月30日(水)20:00~21:30
【開催場所】 ZOOM ミーティング
【参加人数】 25名

5地域の島の編集者が紹介するご当地魚グルメ

はじめに、[伊豆諸島(東京都)、家島(兵庫県)、対馬・五島列島(長崎県)、 沖永良部島(鹿児島県)]の地元編集者から、『季刊リトケイ』35号「おいしい!たの楽しい! 島の魚食図鑑」特集で取材した魚食の写真を中心に、各島のローカルグルメをご紹介いただきました。

伊豆諸島からは、東京の島をベースとしたメディアの企画・編集・制作を行う新島OIGIE(オイギー)小澤 さとさんと伊豆大島のトウオンデザイン千葉努さんの連合チームが参加。

伊豆諸島北部の魚食として、地魚を漬けにすることで保存性を高めた「島寿司」、新島から各島に広まった発酵魚食の「くさや」、脂ののった「サビ」の刺身などを紹介しました。
チャット欄では参加者より「くさや、キャンプに持って行けそう」などの反応も。

また、事前に参加者に送られた「島の美味しいもの詰め合わせ」より伊豆諸島の産品として、よく噛み締めるほどおいしく味わえる「くさやのちぎり瓶詰め」や、「うつぼの旨揚げ」が紹介されました。

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家島からは、島の若者らが中心となって結成した島暮らしの魅力を発信する任意団体「いえしまライフ。」の中西和也さんと伊藤真美さんが参加。

島の魚屋さんでサバの活魚が売っていることや、サバの養殖が行われていること、島周辺の海流が早いため脂がのっているというサバの刺身や鯖寿司を紹介。夏が旬のエビを使った家庭料理「えびカレー」、冬が旬のカキも紹介されました。
チャット欄では参加者より「想像しただけで鯖寿司、美味しそう」「牡蠣がファーストフード……羨ましすぎる!」など、魚食に恵まれた島の環境を羨ましがる反応が。

また、「島の美味しいもの詰め合わせ」より家島の産品として、「海苔の佃煮」を冷奴などに乗せて醤油代わりに使う楽しみ方や、プリプリした食感のカキを使った「牡蠣ごはんの素」が紹介されました。

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対馬からは、対馬の出身で、現在福岡と対馬の2拠点生活を送っている対馬担当編集者、小宮大輔さんが参加。

全国一の水揚げ量を誇るアナゴの「穴子丼」、対馬の食卓のスタンダードであるホシカリ(カサゴ)の味噌汁、ケンサキイカと合わせた水揚げ量が全国一というアオリイカの「アオリイカの刺身」が紹介されました。
チャット欄では「お味噌汁なのにはみ出てる!」と、味噌汁に入った魚の大きさに参加者が驚きの声をあげていました。

「島の美味しいもの詰め合わせ」からは対馬の産品として、石の上に焼いたイカを乗せてハンマーで叩いて解した「たたきいか」と、少しクセのあるイスズミを食べやすく加工した「そう介のおつまみ」が紹介されました。

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五島市からは、市民ライターとして活躍中の藤田佳子さんと若菜愛香さんのお二人が参加。

かつて若者がいなくなり一度は解散するも、有志により再興されたされたという若手漁業者集団・丸木青年団に取材。『季刊ritokei』紙面に載らなかった取材こぼれ話として、栄養価の高いキビナゴを食べてダイエットできたとの漁師さんの体験談などが披露されました。
チャット欄では同じ長崎県の対馬からの出演者が「五島にもいりやきあるんですか!対馬のいりやきと似ている!」と、反応。

続いて、「島の美味しいもの詰め合わせ」より五島の産品として「旨みたっぷり五島の魚介スープ」新鮮なキビナゴを冷風乾燥し桜のチップでいぶした「きびなくん」、五島近海の魚を椿酵母で発酵させた「五島の醤(ひしお)」が紹介されました。

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沖永良部島からは、担当編集者のネルソン水嶋さん、役場職員で魚に詳しい前田翔清(かすが)さん、地域越協力隊の桑畑久美子さんが参加。

琉球文化圏に属し、中国や沖縄の影響で赤色をおめでたいものとみなす文化背景とともに、皮が赤く高級魚とされるアカマチ(ハマダイ)の刺身や、焼き伊勢海老などハレの日の料理を紹介。地元で身近に食べられている家庭料理としてスミチャ(カンモンハタ)の唐揚げも紹介されました。
チャット欄では「珊瑚礁の島はまた風景が変わりますね」と、島の雰囲気の違いを感じた方からのコメントや、「毎春、沖永良部のじゃがいも購入してます!ホクホクして美味しいです!」とのメッセージも。

さらに「島の美味しいもの詰め合わせ」でお届けした沖永良部島の産品として、濃いめのお茶や黒糖焼酎のおつまみにも合う黒糖菓子の「さた豆」、汁物に入れたり天ぷらにして楽しめる海藻の「あおさ」、イソマグロ「マハダグムイ」のポストカードについて、珊瑚礁の浅瀬にイソマグロを追い込む同名の伝統漁法を紹介しました。

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島々の編集者からは、紙面に掲載された魚食以外にも、それぞれの島の紹介として、島の位置やアクセス情報、島の歴史や島に来たら訪ねていただきたい見どころ、豊かな海の幸をもたらしている地理的条件なども紹介されました。

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各島との交流タイムでは参加者から積極的な質問も

イベント後半では、5つのルームに分かれて各島の編集者と参加者の交流タイムを設置。参加者からは、次々と質問が寄せられ、島々の編集者が答えていました。

事前に参加者に送られた食材のおいしい食べ方を質問する人や、島に行った際に楽しめるアクティビティについて質問する人、離島留学の受け入れ体制について質問する親子など、参加者は島の魚食を入り口に、さまざまな関心を持ってイベントに参加している様子でした。

「島に行ってみたい」「島の魚を食べたい」と発言された方も多く、島々の編集者も「島に来たら会いに来てください」と歓迎。イベント終了後の参加者アンケートでは、「たくさんの島や島で活動する人を一挙に知ることができた。皆さんの言葉で島の魅力を聞くことができ、どこにも行くことが難しい今、とても癒しを感じました」「(島の産品を)選んだご本人とお話でき、おいしさの理由を聞きながら食べられるのは、貴重な体験でした。島の皆さまや参加者の皆さまと、もっとお話したくなりました。楽しかったです!」などの意見が寄せられました。イベントが終わっても、SNSなどを通じて島内外の交流が続いていきそうです。

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日本財団「海と日本プロジェクト」

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さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。

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