リトケイの活動

『ritokei』「おいしい!たのしい!島の魚食図鑑」を読む島好きの会を開催しました

特定非営利活動法人 離島経済新聞社は、2021年7月16日(金)に、オンラインイベント”『ritokei』「おいしい!たのしい!島の魚食図鑑」を読む島好きの会”を開催いたしました。
このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本PROJECT」”の一環です。

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イベント概要

特定非営利活動法人 離島経済新聞社は、2021年5月27日に有人離島専門メディア『ritokei』「おいしい!たのしい!島の魚食図鑑」特集(フリーペーパー版・ウェブ版)を発行。、6月上旬に公開したウェブ版『ritokei』の「島々会議」から、島々で漁業や水産加工などに携わる仕事人の声をお届けしています。

今回のイベントでは、ウェブ版『ritokei』の新コーナー「島々会議」から八丈島(東京都)、海士町(島根県)、屋久島(鹿児島県)の仕事人がゲスト出演。3者それぞれの取り組みを語っていただき、『ritokei』読者とオンラインで記事の感想などを語り合いながら交流しました。

日程:2021年7月16日(金)20:00~21:30
開催場所:ZOOM ミーティング
参加人数:18名

編集部の「おいしい!たのしい!島の魚食図鑑」制作裏話トーク 

「おいしい!たのしい!島の魚食図鑑」(以下、島の魚食図鑑特集)制作裏話コーナーでは、特集内容を編集部メンバーが紹介。島々のおいしい海の幸の話題をたっぷりと掲載した、特集の制作裏話について共有しました。

始めに、編集部の石原と松本が、自己紹介と制作の感想をコメントしました。

本や映画のレビューを担当することが多い石原は、「魚食特集」に合わせて、サンゴの保全や研究に取り組む人たちを取材したドキュメンタリー映画『セーブ・ザ・リーフ』を紹介。「映画を観て、サンゴは人類よりも長く数億年の間地球で生き延びてきた強かな生物であることを知り、海の豊かさを育むサンゴの偉大さを感じた」と語りました。

毎号、島々の人口動態のページなどを担当し、個人的にも笠岡諸島に縁の深い松本は、クレヨン画家・絵本作家の加藤休ミさんによる『季刊ritokei』表紙イラストについてコメント。イラストに描かれた魚料理を提供する、笠岡諸島・真鍋島にある漁師料理の店「漁火(りょうか)」を紹介しました。

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『季刊ritokei』35号と付録ポスター、加藤休ミさん作の絵本『おさかないちば』『きょうのごはん』

続いて編集長の鯨本あつこが、特集紙面を紹介。リトケイ読者から募集した「忘れられない島の魚」の話題では、編集長が読者のおすすめの中から「利尻島のタチカマ」や「伊吹島のいりこ」など、お気に入りの魚食を紹介。編集メンバーの二人も「伊豆諸島の島寿司」や「母島のアオウミガメの煮込み」など、制作中に食べたくなった島の魚食メニューについてコメントしました。

「魚を愛する人に聞く」ページでは、難関の「日本さかな検定」(通称:とと検)1級に史上最年少の小学5年生で合格した伊藤柚貴くんと、さかな芸人ハットリさんが登場。チャット欄で、さかな芸人ハットリさんのYoutubeチャンネルなど、紙面に収まりきらない魚食の話題を共有しました。

東京都の伊豆諸島、兵庫県の家島諸島、長崎県の対馬島と五島市、鹿児島県の沖永良部島、5つの離島エリアに暮らす現地編集者が取材した「おいしい島魚BEST3」や、島ごとの魚食の背景、水産振興にまつわるトピックス、島の魚が味わえる飲食店などのページも紹介しました。

ウェブ版『ritokei』「島の魚食図鑑」特集のリンクも共有され、参加者からは「やっぱり写真の説得力は強い」「いつも以上に島に行きたくなる紙面でした。コロナ禍のため、島行きを我慢していますが、落ち着いたら必ずどこかに出かけたいとうずうずしています。」など、コメントが寄せられました。

3島からのゲストが魚食にまつわる仕事を語る座談会

続いてのコーナーでは、6月上旬に公開されたウェブ版『ritokei』の新コーナー「島々会議」にご登場いただいた中から、八丈島(東京都)、海士町(島根県)、屋久島(鹿児島県)の仕事人がゲスト出演。「島々会議」に掲載された記事を画面共有しながら、漁業や水産加工、漁業を活かした観光のお話など、日々の仕事のことや島への思いをお話しいただきました。

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始めに「島々会議」の取材を担当した石原が、ゲストのプロフィールや日頃のご活動を紹介。八丈島からのゲスト長田隆弘(おさだ・たかひろ)さんは八丈島出身で、北海道で11年間、貝や魚の増養殖に携わり、帰島。ご両親が始めた「くさや」屋さんを引き継ぎ、八丈島の伝統文化である「くさや」を次の世代に託すため、「くさや」文化を継承する授業・研究にも取り組んでいます。

海士町(中ノ島)からのゲスト、雪野瞭治(ゆきの・りょうじ)さんは、電気通信大学工学博士課程を卒業された工学博士。高専では障がい者の暮らしをサポートする福祉工学を学び、大学で半導体技術を応用した医療診断技術の研究を経て、就職された戦略デザインコンサルティング会社で、社会のあるべき姿を実現する事業の創出・共創に携わったご経験もお持ちです。昨年の11月ご家族で東京から海士町へ移住され、今年1月から、海士町複業協同組合職員 第1号としてマルチワーカーとなり、漁業や水産加工、地域づくりや人材育成事業を行う仕事など、島内のさまざまな仕事の担い手として活躍しています。

屋久島からのゲスト、中島 遼(なかしま・はるか)さんは、北海道出身。東京のIT系企業での勤務を経て、2016年に屋久島へ移住。現在、屋久島の春牧(はるまき)集落で、夫の友野(ともや)さんとともに1日1組限定の「漁師の暮らし体験宿ふくの木」を営み、遊漁船や、魚をさばく体験など漁師の暮らし体験メニューにも力を入れています。2020年には島の仲間と共に、屋久島ブルーツーリズム推進協議会「うお泊やくしま」を立ち上げ、漁業を活かした地域づくりにも取り組んでいます。

ゲストの紹介に続き、掲載された記事を画面表示しながら、編集部の石原が海の仕事の醍醐味をお一人ずつ伺いました。

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下段左からゲストの雪野瞭治さん(海士町)、中島 遼さん(屋久島)、長田隆弘さん(八丈島)

「漁の現場を知ったことで、魚を捕っている人の顔が浮かぶようになり、魚がずっとおいしく感じられるようになった」と海士町の雪野さん。屋久島の中島さんは雪野さんの発言に共感し、「自分がしているのは漁師とお客様の間をつなぐ橋渡し。やりがいを感じる」と発言。八丈島で伝統のくさやづくりに励む長田さんは、仕事に誇りを持てるようになったきっかけとして、くさやは「いい匂い」だと教えてくれた島の小学生とのエピソードを語りました。

また、読者から八丈島の長田さんへ「くさやづくりにはトビウオしか使わないのですか」との質問に、「季節によって魚は変わり、主に4種類の魚を使います」と長田さんが応じ、珍しいものとしてはサメを使ったくさやもあり美味なことなど、知る人ぞ知る島のディープな魚食事情も披露されました。

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島々のゲストと読者、『ritokei』編集部メンバーが交流

イベント後半では、3つのルームに分かれて島々のゲストと読者、『ritokei』編集部メンバーの交流タイムを設置。「おいしい!たのしい!島の魚食図鑑」や「島々会議」に掲載された記事の感想などを語り合いながら交流しました。

各グループでは、それぞれの島へのアクセス事情やライフスタイル、島からお取り寄せできるおすすめ産品などについて参加者から質問が上がり、ゲストの3人以外にも離島地域から参加していた方々も交え、島々の情報交換や交流が行われました。

伊豆諸島のくさやと東京島酒の相性の良さなど、魚食と島酒にまつわる話題でも盛り上がり、その場でECサイトに注文する参加者や、話題になっていた品が気になり、イベント終了後にゲストへ問い合わせて注文する方も。

島々の魅力はもちろん、島の魚食の魅力を共有した1時間半。“『ritokei』「おいしい!たのしい!島の魚食図鑑」を読む島好きの会”は、島の魚を愉しむファンが増えるきっかけづくりにもなったようです。

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日本財団「海と日本プロジェクト」

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さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。

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