リトケイの活動
離島経済新聞社では2021年度、島にゆかりを持つ3人のインターン生が主体となって、「島と関わる人を増やす」ことを目的とした情報発信やオンラインイベントを展開しました。本プロジェクトの活動内容を担当の松本が報告します。
島の営みが持続可能であるためには「島の担い手」が必要だとリトケイは考えています。そこで、2021年度は奄美大島出身の森井光南(もりい・みな)さん、新島出身の西胤鼓麻(にしつぐ・こま)さん、70を超える全国の島々を訪れた島好きの鈴木瑛(すずき・えい)さんの3人のインターン生(以後、リトケイインターンズ)を迎えてインターンプロジェクトを実施。未来の担い手になるかもしれない若い世代に向けて、「島と関わる人を増やす」ことをミッションに掲げつつ、「共感と発見」をテーマにInstagramで島の魅力を発信。2021年12月から2022年3月にかけて、島在住のゲストを招いたオンラインイベント(全3回)も開催しました。
島出身&島が大好きなリトケイインターンズ3人が「共感と発見」をテーマに島での経験や日常をinstagramに投稿(アカウントはこちら>> @ritokei_interns )。「新島では今でも屋号で呼びかける」「奄美大島の成人式では島の伝統産業である大島紬の振袖や袴を着る人が多い」「本土から直接交通手段がない二次離島の紹介」など、リトケイインターンズがこれまで体験してきたことをみずみずしく紹介し、島の魅力を伝えることができました。
オンラインイベント「しまじまトーク」では、島在住のゲストを招き、島での仕事や島と関わるきっかけなどを率直に語っていただきました。2021年12月から2022年3月にかけて3回開催し、島在住や島にゆかりがある方など、のべ30人ほどが参加。未来の担い手になるかもしれない若い世代同士がつながる機会となりました。
2021年12月11日(土)に開催された記念すべき第1回目。奄美群島の2島に暮らす20代のゲストが、島暮らしを詳しく紹介。参加者アンケートに「島の生活が身近に感じられた」「他の島の様子も気になる!」などの感想が寄せられました。
ゲスト:小室達真さん(奄美大島Iターン)、住岡尚紀さん(喜界島Uターン)
2022年2月2日(水)に開催された第2回では、新島で動画クリエイターとして活動する青沼宏樹さんが、出身者の立場で感じる島の良さと課題を紹介。参加者からは「離島や創作活動に興味があったのでわくわくしました!」といった反響がありました。
ゲスト:青沼宏樹さん(新島Uターン)
2022年3月12日(土)に開催された第3回のゲストは、利尻富士町役場に勤める岩垣みなみさんと大崎海星高校公営塾スタッフの高橋貴一さん。参加者からは「島暮らしの違いや、島のあるあるが感じられて楽しい」といった声が寄せられました。
ゲスト:岩垣みなみさん(利尻島Iターン)、高橋貴一さん(大崎上島Iターン)
「島と関わる人を増やす」という目的のもと、島の情報発信やオンラインイベント開催したリトケイインターンズ。彼らの活動を通して、離れた島の若者同士の交流や、島に興味を持っている人が島の若者と知り合うきっかけが生まれていました。
半年間の活動を終え、インターン生を卒業する3人からのコメントを紹介します。
「instagramアカウントの運営をする中で、地元の高校生や20代の方からもフォローがあり、少しずつ身の回りから『島への認知』の橋架けができたと実感。春から、島に関わる仕事に就くので、地域の良さだけではなく全体を見ることを大切にしたいと思っています(新島村出身/西胤鼓麻)」
「これまで故郷の奄美群島以外の島の人と話すきっかけがなく、活動を通じて自分の島以外の人と交流ができました。また、instagramへの投稿内容を練る際に、故郷の島のことを意外と知らない自分に気が付きました。家族や友人に島のことを聞いて、改めて自分の島を見つめ直す機会になりました。(奄美大島出身/森井光南)」
「活動を振り返ると、3人それぞれに長所と短所がある中、チームとしてお互いで補って活動することが難しく感じることもありました。一方、3人とも島との関わり方が違うので、いろいろな切り口で島の魅力を伝えられたと思います。インターン生同士や島の方々とも、深く繋がることができました(北海道出身/鈴木瑛)」
この春、3人は大学を卒業し新たな門出を迎えます。島にゆかりを持つ3人にとって、インターンプロジェクトで島を想う人たちと交流した経験が、少しでも今後の糧となればと願います。
最後に、オンラインでの活動が主体となる中、リトケイインターンズの3人をはじめ、イベントの運営に関わってくださった島の皆さまに感謝を申し上げます。2022年度も新たにインターン生を募集し、インターンプロジェクトを進めてまいりますので、今後とも温かく活動を見守っていただけますと幸いです。
離島がなくなることは、日本の文化消失だけではなく、国防やゆたかな領海の維持にも大きな影響が起こります。
私たちと、離島文化を守る活動へ応援という力を貸してください。
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