リトケイの活動
2026年2月18日、活動を支えてくださるサポーターの皆さまへ向けたオンライン報告会を開催しました。今回のテーマは、離島経済新聞社がいま、力を入れている「離島の防災」。
ゲストには山形県飛島(とびしま)の松本友哉さんが登場。今冬に起きた「22日間連続欠航」の実態と、そこから見えた「日常に潜む災害」への備えについてお話いただきました。後半では、1月31日に実施した離島医療会議の報告も行いました。
山形県酒田市の沖合に浮かぶ飛島から、オンラインで登壇してくださった「合同会社とびしま」の松本さん。島暮らし14年目、自らも漁業権を持ち、島のインフラ保守も担っています。2025年末から2026年始にかけて起きた「22日間連続欠航」の実態を聞きました。
「冬場の欠航は日常茶飯事で、就航率は約30%。毎年1回は2週間程欠航することもありますが、3週間一度も船が動かないのは初めてでした」と松本さん。冬場の欠航に備えて、島民は1人あたり平均2台の冷凍ストッカーを持っていたため、食料不足は概ね回避できたとのこと。ただ、深刻だったのは「燃料(灯油)」と「医薬品」でした。
特に灯油は、各家庭に大型のホームタンクが備え付けられているものの、暖房とお風呂に使うと2〜3週間で底をつきてしまう状況。島内在庫が半分以下になった年末には販売単位を制限し、なんとか確保。医薬品はヘリコプターによる緊急搬送が行われました。
冬の欠航には慣れていた松本さん。しかし、今回の長期欠航で「もしも、強風による倒木で停電などしていたら復旧できなかった」という恐ろしい事態に気がつき、今後の対策を考えるきっかけになったと言います。
「当初は島内外に『いつものこと』という空気が漂い、事態の深刻さに対して行政との間に認識のギャップがありました。今回の経験から、連続欠航を正式に『災害』と認定し、素早く支援できる体制作りが必要だと感じました。そのためにも、本土側との『顔の見える関係性』を深め、航路を維持する前向きな雰囲気を作ることが、最大の防災になると思います」
報告会の後半では、1月31日に三重県鳥羽市で開催された「第4回離島医療会議」の様子を共有しました。オンラインを含めた視聴申込数が500名以上となったこの会議では、離島医療の未来について医療関係者・国・企業・島の住民など様々な立場から議論が交わされました。
鳥羽市では離島のオンライン診療が進んでいますが、現場からは切実な声も寄せられました。常駐医がいない島で、夜間や休日の緊急搬送を担っているという地元漁師の方が登壇。たとえ荒天時でも苦しむ住民を放っておくことはできず、命がけで緊急搬送を担っている現状も共有されました。
医療DXを進めながらも、緊急搬送等のリアルな課題を解決するにはどうしたらよいか。大きな宿題が共有された離島医療会議の様子は、フリーペーパー版『季刊ritokei』最新号(52号)やウェブ版『ritokei.com』等でもお伝えしていきます。
離島経済新聞社は、島の穏やかな日常という「平時」を支えつつ、災害や人口減少といった「ピンチ」にも対応することを目的に活動しています。
具体的なアクションの1つとして、2月27日発行の『季刊ritokei』最新号(52号)では「生き残れる島の防災と関係人口」を特集。ジャーナリストの堀潤さんへのインタビューのほか、昨年10月に台風で被災した八丈島の事業者を訪問したレポートなどを掲載しています。
最新号を確実に入手したい方、離島経済新聞社の活動を継続支援くださる方は、ぜひサポーター登録をお願いいたします。また、はじめての方には「お試しセット」もおすすめです。
これからも離島経済新聞社は、島の人々の夢や希望、そして時に訪れるピンチに寄り添い、活動を続けていきます。
文:卜部奏音
課題はあるけれど可能性もある約400島の有人離島。総人口の0.5%が守る島々の文化的営みは、日本の本質的な豊かさとゆたかな領海の維持に貢献しています。人口減少が進み、島だけでは叶わないことが増えるなか、リトケイは「島に愛のある関係人口」の創出・拡大と島々との共創により、島の平時・危機・未来を支える活動を行っています。どうかこの活動の継続にお力添えください。

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